NAPOLI(ナポリ)
1日目
ローマから列車でナポリへ。ローマでの生活も早1ヶ月。
友達もでき、何をするにも安心感を得られるようになっていたけど、旅の間はまた一人きり。
知り合いのいない街へ行きます。
出発すると、これからの旅が楽しみでもあり、「大丈夫かなぁ〜?」と少々不安。
列車に揺られている間も、何だか落ち着きません。
イタリアに来た時よりも、慣れて安心しきっていたせいか、「楽しみ〜!」と思えない私。
気がつけば、喉がカラカラ。「ま、もう出発したんだし、行くって決めてたんでしょ!」
と自分に喝を入れ、気を紛らわせるために、イタリア語の本を開き、
挨拶、数字、食べ物、5W1Hを覚えたりしました。
ナポリセントラル駅に到着!外に出ると、ローマとはまるで雰囲気が違いました。
南は温かい田舎のイメージだったのですが、コンクリートの道路にビルが立ち並び、
ネオン看板があちこちに見られました。人々もイタリア人以外の人種が多く、物騒な感じ・・・。
駅前は交通量が激しく、車がひっきりなしにクラクションを鳴らしています。
「なんか、イメージとだいぶ違うかも。」と、怖くて顔が引きつりっぱなしでした。
とりあえず昼食を食べようと、お店をのぞいてみましたが、入るのもためらわれるような雰囲気。
結局、ナポリセントラル駅のマクドナルドに落ち着きました。
「ここなら、メニューは分かるし安心!」と思ったのも束の間、
ハンバーガーを1個頼んだら、無愛想な店員がトレイに「ドンッ、ドンッ!」と
大きなフライドポテトと大きなコカコーラも載せ、私に突き出しました。
「コ、コワイ・・・。私こんなポテト食べきれないし。それにコーラなんて飲みたくないのに。」
多分、東洋の顔をした子供みたいな私が来たので、
「どうせ言葉もわかんないんでしょ。ほらよっ!」と片付けられたのでしょう。
ポテトを黙々と食べ続けていると、へんな黒人が「隣、いいですかぁ〜!」と話し掛けて来ました。
とにかくナポリの街は、雑踏とし、今にも狙われそうな感じです。駅前は灰色のイメージでした。
当初の予定では、駅周辺をお散歩、なんて思っていたけどとんでもない!
一抹の不安を抱えながら地下鉄に乗って、ユースホステルのあるメルジェリーナ駅へ行きました。
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さっきまでの不安はどこへやら。
地下鉄で10分程度で明るい海岸沿いの小さな町。ユースホステルにチェックイン。
部屋で少し休み、散歩に出掛けました。とにかく暑い〜。まだ6月だというのに気温27℃。
水分を取ってばかり。日本みたいにどこにでもトイレがあるわけでもないから、気をつけなくては!
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海岸を散歩していたら、マウロという名のイタリア男に付きまとわれ、
しばらくすると、海岸で結婚式の写真撮影をしているカップルを見かけました。
「わ、すご〜い!」と近づいてみました。どうやら、近くの教会で結婚式を終え、
写真を撮るために海岸へ出て来たよう。カメラを構えて「おーい!」と声をかけると、
カップルはカメラ目線で写真を撮らせてくれました。
さらに「君もおいでよ!」と誘われ、なんと飛び入り参加。
普段着の私はずうずうしくも、カップルの間に入って写真まで撮ってもらいました。
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しばらくして彼らと別れ、再び一人で歩き始めました。
「イタリア語で『おめでとう!』って何て言うんだろう?
言葉がわからないと、そんな事も言えないよ。」
と、持っていたイタリア語の本で調べると、出ていました。
congratulazioni、Tanti auguri・・・
言いたいことが言えず反省。イタリア語を覚えていればなぁ・・・。
それにしても、ナポリの最初の印象はどこへやら。
ここは『太陽の街』って感じ。皆明るく、カップルはそこらじゅうでキスしまくっています。
この後、有名なヌォヴォ城へ行きました。
喉が渇いたので、お城の中にあるバールに入り「アイスコーヒーください!」
出て来てビックリ。そう、イタリアのコーヒー=エスプレッソ。
つまり、アイスコーヒー=エスプレッソに氷をひとかけら入れたもの。
こんなんじゃ、カラカラの喉は潤いません!
ミネラルウォーターを追加オーダーしたのは言うまでもありません。 |
これが飲みたかった〜!
その後、フニコラーレ(ケーブルカー)の駅へ。
ナポリは高台にこれでもか〜と言う位、建物が建っているため、
市民の移動手段としてケーブルカーが何本か通っています。
さっきまでいた海岸沿いの道は、みるみる小さくなって行きました。 |
高台の駅に到着。
「景色を見渡せる所はないかな〜!」とぶらぶらしていると、同じく暇そうなバックパッカーを発見。
この辺の旅行者は、皆同じことを考えているようです。
「景色が良く見える所、探してるの?」と声を掛けられ、一緒に探すことになりました。
彼の勘を頼りについて行くと、「ここんちの屋根に登ろう!」と無謀な事を言い出しました。
バックパッカーって、旅をしていく中で度胸が身につき、ちょっと外れたことをしても、
何とも思わないのかもしれません。
「この家、留守みたいだし、まっいっか〜!」と私も屋根に登ってみると・・・
ほーら、絶景が待っていました。\(^-^)/
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左手奥のビル群は、ナポリセントラル駅周辺。歴史ある街並みにビルが建ち、問題となっているそう。
サンタルチア港
そして夕方、ユースホステルに帰りました。
部屋に入ると、同じ部屋に日本人が3人帰って来ていました。
2人組の女の子たちは「もうナポリは見終わって、明日ローマへ行く。」と言っていたので、
お勧めを教えてあげました。
逆に、彼女たちが前日行ったコースを教えてもらい、明日の私の計画はポンペイ&ソレントに決定!
そしてもう1人は、鹿児島から一人旅で来ているNさん。
結婚後、どうしても一人旅をしたくてご主人に頼み込み、ヨーロッパ各地を廻っていました。
彼女は「ナポリより南のアルベロベッロを見て来たよ。」とのこと。
「私、あさって行くつもりなんです!」と言うと、パンフレットやガイドブックを取り出し、
おススメポイントを教えてくれました。
「明日はアマルフィー周辺を廻る予定。あさって列車でローマに行くの。
ローマに数日間滞在するつもり。」と言うので、来週、私がローマに帰ったら再開することになりました!
旅では、こういう出会いがとても楽しいです。旅好きな人が病みつきになる理由の一つかもしれませんね。
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