第1章(長期滞在編)

1.暮らし  2.食べ物とレストラン  3.ローマ在住日本人  4.やってみよう  5.失敗

6.出会い(前半) 7.出会い(広場) 8.出会い(後半) 9.留学準備 10.トラブル・おまけ!



第2章(留学編)

1.イタリアとの出会い 2.私が暮らしたアパート 3.お友達のお家 4.イタリアならでは 5.カッフェへのこだわり 6.ジェラートへのこだわり 7.ピザへのこだわり

8.リストランテとトラットリア
  9.語学学校@  10.語学学校A  11.失敗と発見色々  12.手作り料理  13.アルバイト  
14.交通事情@  15.交通事情A

16.友達との過ごし方 17.ポルタポルテーゼ 18.友達同士のイタリア語 19.ナヴォナ広場の夜BGM付♪ 20.電話とインターネット 21.日本が恋しくなったら

22.水道&光熱事情  23.ハロウィン  24.クリスマス  25.お正月  26.警察事件  27.働く子供たち  28.イタリア男 29.留学を終えて・・・BGM付♪



               


警察事件

ローマにて、一大事件が起こりました。何のお役にも
立ちませんが、その時のことを詳しく書いています。



家に来たアフリカ人

語学学校から紹介されたアパートに住んでいた時のこと。
最初は、
イタリア人女性の大家さんと、ドイツ人の女の子でルームシェアをしていましたが、
ドイツ人の女の子が帰国したのと入れ替わりに、
アフリカ人の男の子が来ました。

大家さんによると、
「彼は、昨年もお父さんの都合でしばらくここに住んでいたの。
アフリカ人だけど、フランス育ちでフランス語が共通言語なのよ。」
とのこと。
初対面の印象は、
『大柄で真っ黒』!簡単な自己紹介をしたところ、名前はイス
イタリア語はまったく分からないんだそう。
「英語なら話せるの?」と聞いたら、
「スモール!」と言われ、「この人とは会話できない。」と思いました。


 

アパートの大家さんのお金が・・・

ある晩のこと。
私は18時頃学校から帰宅し、ドアの鍵を開けて中に入ると、
目の前に大家さんが待っていて、ただならぬ雰囲気でした。
「Che scesso?(どうしたの?)」と聞くと、
何と、
大家さんの部屋にあったお金が盗まれたんだとか。
大家さんは、来週ドイツ旅行の予定で、たくさんお金を用意していたそうなのです。

しばらくして、アフリカ人のイスも帰って来ると、大家さんがどこかに電話をしました。
すると、家に
警察官が数名やって来て、わけの分からない私はパニック状態でした。

そこへ、
語学学校の友達が、ちょうど良いタイミングでTELをくれました
実は翌日、友達の田舎に1泊旅行に行く事になっていたからです。
私が電話で状況を説明し、
「お願いだから、来て!」と泣きじゃくったので、
私たちがこれから向かう、
ローマ警察に直接来てくれることになりました。

アパートからローマ警察まで、
パトカーで連れて行かれました。
私が逃げないようにか分からないけど、後部座席の両脇に警察官。
しかも、私とアフリカ人のイスが取り調べ前に打ち合わせをしないためか
分かりませんが、パトカーも別々に用意されていました。

しかし、パトカーの車内では和やかな雰囲気で拍子抜け。
おそらくこの時点で警察官は、私が犯人ではないと思ったのでしょう。




ローマ警察にて

ローマ警察に着くと、友達が先に来て待っていてくれました。
私は安心感からか、再び大泣き。
別に盗ったのは私ではないし、泣く必要もないのだけど、
ただならぬ状況の中、飛び交うイタリア語は聞き取れないし、
とにかく不安でいっぱいだったのです。

私とアフリカ人のイスは、別々の部屋で事情聴取。
「いつイタリアに来たのか?」「何を勉強してるのか?」
「入国してから今までの滞在先をすべて言いなさい。」
などなど。私が答えると、全部パソコンに入力していました。
私の語学力は、たいしたことありませんが、自分を守るため、
必死に頭をフル回転させて、説明しました。

(この時の経験が、私をステップアップさせたような気がします。)

我に返ると、昼ご飯を食べたきりで、お腹も空ききっていることに気づきました。
近くの警官に、「トイレに行きたい!」と言い、来てくれた友達と別の階へ行き、
廊下の自動販売機でお菓子を買って、食べてすべてが終わるのを待ちました。




私が疑われた理由・・・

友達もいてくれて、安心しきっていましたが、実は私も少し疑われていたようでした。

なぜなら、家に帰ってきたときに私が大家さんに言った一言、
「Che scesso?(どうしたの?)」は、
軽く「どうしたの?」と聞くのではなく、
「一体何が起きたの?」
というニュアンスで使うものだったのです。それで、大家さんは、
「私が何も説明していないのに、ミルはアパートで何かが起きた
ことを分かっていたようでした。」
と言っていたそう。

また、
「お金を盗まれた。」はイタリア語で「stati rubati」(スターティルバーティ)ですが、
学校で習いたての単語、
「アメリカ」を意味する「stati uniti」(スターティウニーティ)
発音が似ていたので、大家さんとの話中、
「America?(アメリカ)」と聞いてしまったのです。

偶然にも、大家さんのお金が
「アメリカドル」だったので、
「ミルは、私が持っていたお金がアメリカドルだと知っていました。」
と、警察に伝えていたのでした。

大家さんに、私がどう聞き間違えたのかを説明し、ようやく納得したのでした。
すべて終わりローマ警察を出たのは、深夜0時を回っていました。

結局、アフリカ人のイスは、これを最後に家へ帰って来ませんでした。
この事件のお陰で、私は『滞在許可証』を取らないでいたことがバレてしまい、
面倒なことが待っていました。





大きな声では言えませんが・・・

この事件で、私は『滞在許可証』を持っていないことがバレてしまいました。
当時のルールでは、外国人はイタリアに90日間以上滞在する場合、
入国8日以内に、ブフェッティ(滞在許可書を取るのに必要な用紙)と収入印紙を
用意して、
警察署へ行き、『滞在許可証』を作ることが義務づけられています。

しかし留学したての頃、ほとんど言葉も分からない状態で、大家さんにも
「いいから!いいから!」と適当にあしらわれ取らなかったのです。

普通に生活をしていて、見つかることは考えられませんが、
見つかると罰金何万円とか国外追放になるんだとか。

運良く私は、軽いお説教だけで済み、後日『滞在許可証』をGETしました。

(長期滞在の皆さん、私のような真似は決してしませんように。)





               

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