第1章(長期滞在編)

1.暮らし  2.食べ物とレストラン  3.ローマ在住日本人  4.やってみよう  5.失敗

6.出会い(前半) 7.出会い(広場) 8.出会い(後半) 9.留学準備 10.トラブル・おまけ!



第2章(留学編)

1.イタリアとの出会い 2.私が暮らしたアパート 3.お友達のお家 4.イタリアならでは 5.カッフェへのこだわり 6.ジェラートへのこだわり 7.ピザへのこだわり

8.リストランテとトラットリア
  9.語学学校@  10.語学学校A  11.失敗と発見色々  12.手作り料理  13.アルバイト  
14.交通事情@  15.交通事情A

16.友達との過ごし方 17.ポルタポルテーゼ 18.友達同士のイタリア語 19.ナヴォナ広場の夜BGM付♪ 20.電話とインターネット 21.日本が恋しくなったら

22.水道&光熱事情  23.ハロウィン  24.クリスマス  25.お正月  26.警察事件  27.働く子供たち  28.イタリア男 29.留学を終えて・・・BGM付♪


               


8.出会い(後半)

 偶然が重なった、運命的な出会い

ある日、私は友達と20時頃別れ、アパートのあるトラステヴェレへ行く
バスに乗りました。ところが気がつくと、『真実の口』まで行っていました。

(後で気がついたけど、このバス、『真実の口』を通ってから、トラステヴェレに行くんだった。)

まだ土地感のない私はバスを降り、大家さんに電話。
「道に迷ってしまったの」と泣きそうな声で状況を説明しました。

すると、
「そこから少し行くと、老舗レストランが並ぶエリアがあるよ!行ってみたら?」
とのこと。私は、不安で泣きそうなのに、大家さんは呑気なこと!
(さすがイタリア人!)
私が
「レストランの厨房で働いていました。」と言ったのを覚えていて、教えてくれたのです。
でも私は、
「とにかく帰れなかったら困る!」と、この日は帰りました。

(実は、これがきっかけで私は『イタリア留学』を決心し、人生が大きく変わることになりました。)

数日後、大家さんの言葉を思い出し、その地区を訪ねてみました。
が、ほとんどの店はシエスタに入っていました。

(「シエスタ」とは「お昼休み」のこと。イタリアでは、多くの店が昼すぎから夕方まで、一度閉めます。)

「これは、また出直せって事?」と思っていると、開いている店を発見。
ローマ名物の子羊の肉、「アバッキオ」を頼みました。
食事を終えると、会計時に羊の絵の絵皿をくれました。
食事は美味しかったし、目標をひとつ達成できた満足感で、
鼻歌を歌いながら最寄りの駅へ向かいました。

「それにしても何でお皿をくれたんだろう?」と、駅前の木陰の岩に腰掛けました。
すると、ひとりの日本人男性に声をかけられました。なんと、彼はさっきのレストランの
コックさんでした。厨房から、私がアバッキオを食べていたのを見ていたようです。
「君の食事は、俺が作ったからね。」と笑っていました。

彼は、数年前からローマでコックをしているそう。その時は、たまたま休憩中で
外に出て来ていたのでした。これをきっかけに、私は留学に興味があることを話し、
彼の暮らしぶりや、学校について教えてもらうようになりました。
彼は、私の目標とする人物となりました。その時私が抱いていた自分の理想像を
見た気がしたのです。
この出会いが、私の目標をよりはっきりさせました。

「私の人生の転機」を与えてくれたこと、感謝しています。本当にありがとう!



 ラウちゃんとアイちゃんとの出会い 

ある日、語学学校の見学に行くと、そこに日本人の生徒さんが。
彼と友達になり、後に
「同世代の女の子だから、仲良くなれるよ!」と、
ラウちゃんを紹介してもらいました。
ラウちゃんはとても可愛くて、スタイル抜群の女の子です。
日本が大好きで、昨年日本でホームステイをしたそうです。
足元を見ると、日本の草履を履いていました。

私達は、テルミニ駅の近くのリストランテにパスタを食べに行きました。
カメリエーラ(ウェイトレス)をしていた女の子は、ラウちゃんの知り合いのようで、
「もう少しでアルバイトが終わるから、待っててよ。一緒に遊ぼうよ。」
とか言っています。
彼女は
アイちゃんと言って、昨年ラウちゃんと一緒に日本へ来たんだそう。
何だか、楽しくなりそうな予感。これが、ふたりとの出会いでした。

夕方、アルバイトが終わったアイちゃんと合流。ラウちゃnは水着ショップの前を通ると、
アルバイトの応募を見て、店員に話を聞きに行きました。すると、すぐに面接をすることに。
駅でスピード写真を撮り、マクドナルドで紙に自分の履歴を書いて、面接に行ってしまいました。
その間、わずか30分!ラウちゃんは『思いついたらすぐ行動タイプ』のようです。

(正式な「履歴書」というものはなく、紙に職歴、希望理由、勤務希望日などを書いていました。)

結果は、残念ながら不採用。その後、ラウちゃんは旅行会社の正社員となりました。




 リストランテの日本人マネージャー

ある日、ラウちゃんとアイちゃんと私は、プランツォ(昼食)を食べにイタリア料理屋に入りました。
そこは、ラウちゃんとアイちゃんの行きつけの店で、アイちゃんはアルバイトをしていたそうです。
パスタを食べて、私達は店を出て、ウィンドウショッピングをしました。

数時間後、
「疲れたから座ってカフェを飲みたいね。」と言っていたら、
ふたりはさっきのリストランテにまた連れて行ってくれました。
すると、客としてではなく、従業員の知り合い(つまり
『顔パス』ってやつね!)で、
店の奥のテーブルへ行き、座りました。
そこで、私達にタダでカフェとドルチェ(ティラミスとチョコレート)を出してくれたのが、
日本人の男性のマネージャーでした。

私より少し年上で、アイちゃんと仲良しらしく、冗談を言ってじゃれあっていました。

店は日本語メニューもあるため、日本人観光客がよく訪れます。
留学中、何度となくこの店にもお世話になりました。お客さんとして、ではなく
奥の席で、カフェを飲みながらおしゃべりして、ドルチェ(デザート)をつついていました。
楽しかった!ありがとう!


   

 『吉本ばなな』が好きな、ヴァレンティーナ

もうすぐ日本に帰る、というある日のこと、今までの思い出に浸りながら、
思い出の場所のひとつである
ピラミデ駅そばの木陰に座っていました。
そして、ノートを出して日記を書き始めました。
するとイタリア人の女の子が2人近くに座り、声をかけてきました。
「ねぇ!それ、日本語?見せて!色んな文字が混じってるのね〜!」

2人は、私がスラスラと日本語で文字を綴っているのを、さっきから興味津々で
覗き見していたようです。まぁ、読んでも内容はまったくわからなかったそうですが。

彼女達は、
ヴァレンティーナとラウラと言って、いとこ同士だと言うこと。
ヴァレンティーナの母親が車で迎えに来るので、駅前で待っているんだとか。
私達は、すぐに打ち解けて、一緒に写真を撮って、住所交換をしました。
ヴァレンティーナは、日本の小説が好きで、『吉本ばなな』にはまっているそう。

(『吉本ばなな』の小説は、イタリアでも翻訳版があり、有名なんだそうです。)



(実は、ヴァレンティーナとは、留学中1度だけしか会いませんでした。と言うのも、
 会う約束をした日、彼女は翌日がテストだったので2時間くらいで帰ってしまい、
 私は、イタリア語がまだよく分からず、ヴァレンティーナは私といてもつまらなかった
 から帰ったのかな、と誤解してしまったのです。
 さらに、私はアパートを引越し、連絡が取れなくなってしまったのでした。
 しかし現在も、彼女とは、メール交換をしています。)





               

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