私のお気に入りの１件を紹介します！
出会いのきっかけは、ガイドブック『地球の歩き方』の美味しそうな写真でした。

ローマの中心、ナヴォーナ広場から細道を進んだ所でしたが、まだ土地感がつかめていない私は、
地図を頼りに、かなり苦労してたどり着いたのでした。

さっそく、店のお勧めメニューを注文！おじさんがニッコリ笑顔でテーブルに運んで来てきました。
見たとたん「うわっ！全部食べたらお腹壊すだろうな。」と思いましたが、黙々と食べました。
私が食べている間も、観光客や地元の人がひっきりなしに店に訪れます。
ほとんどの人がジェラートを注文。ジェラートもカップで支えるのがやっとです。
なんて気前の良い店なんだろう！私は、すっかりこの店が気に入ってしまいました。

「残したら悪いなぁ・・・」と思っていたら、おじさんの方から
「ちょっとずつ食べなさい。無理しなくていいよ！」と声をかけてくれました。

（結局食べ切れませんでした・・・）

一人で散歩中に、友達と学校帰りに、休日に。そしてジョバンニおじさんと話すために、
と足しげく通う内に、私はこの店の常連になっていました。
おじさんの名前はジョバンニ。奥さんとふたりでこの店をやっています。
私が作ってあげた折り紙の鶴を、店の棚にずーっと飾ってくれました。

この店のもうひとつの看板メニューのフルーツシェークも、何度となく飲みました。
「ミキサー１つ分が、君の分だよ！」と、大きな紙コップに軽く２杯はつげる量
（１．５リットルはある）を作ってくれ、いつもお腹がガボガボになり、２杯目はお持ち帰りしました。

ジョバンニおじさんは、私が学校の登録に苦労した日も、アパートの契約にもめた日も、
管理人と連絡が取れなくて途方にくれた日も、友達ができて大騒ぎした夜も、
いつでも私の話を聞いてくれました。

私が学校の友達を、自慢げに紹介した時は、「サービスだ！」と言って、
ジェラート全種類盛り（カップにすべてのジェラートを少しずつ盛ってくれた）を作ってくれました。
また、新作ジェラートとか、ジェラートに入れる前の形の良いイチゴなどを食べさせてくれたりしました。
そしてジョバンニおじさんは、いつしか私のイタリア語の先生にもなっていました。

この店には地元の人たちが来るので、「参考書を買いたい」と思えば、
常連さんに、大きな本屋の場所をたずね、「図書館へ行きたい」と思えば、
常連さんに地図を描いてもらいました。
ついでに言うと、広場で遊んでいる最中、トイレに行きたくなると、貸してもらったりもしました。

（あぁ、ジョバンニおじさんにまた会いたいな〜o(^ー^)o　）

ジェラテリアには、ジェラートの他、だいたい冷蔵ケースがあり、
アイスクリームケーキや、チョコボールアイスなどがキレイに並べられています。
私は食いしん坊なので、店内でジェラートを食べながらその冷蔵ケースの中を眺め、
店によって異なるそれらを見るのが楽しみのひとつでした。

そして「わぁ、おいしそうだね〜！」とか「かわいいね〜！」とか「食べてみたいなぁ〜！」
と言うと、なぜか良く分かりませんが、店の人がケースを開けてサービスでアイスをくれるのでした。

（前ページの『カフェへのこだわり』でもこのような事を書きましたが、
私、おごってもらう率がとても高いようなんです。(^_^;)
パブへ行った時も、カウンターでカクテルを飲みながら店員と話し、
「いいよ。ボクのおごり！」と言われることがよくありました。

友達といてもそういう事が多いので、「ミル、すごいねぇ〜！」と感心されてしまいました。
ま、私としても嬉しいことなので、あえて遠慮せずにいただいてしまっていましたが、
何で、皆おごってくれちゃうのでしょう？私、子どもに見られてたのかなぁ。まぁいいか。へへ。）