世界でチャオ！イタリア２０００年６ページ目

第１章（長期滞在編）

1.暮らし　　2.食べ物とレストラン　　3.ローマ在住日本人　　4.やってみよう　　5.失敗

6.出会い（前半）　7.出会い（広場）　8.出会い（後半）　9.留学準備　10.トラブル・おまけ！

第２章（留学編）

1.イタリアとの出会い　2.私が暮らしたｱﾊﾟｰﾄ　3.お友達のお家　4.イタリアならでは　5.ｶｯﾌｪへのこだわり　6.ｼﾞｪﾗｰﾄへのこだわり　7.ピザへのこだわり

 8.ﾘｽﾄﾗﾝﾃとﾄﾗｯﾄﾘｱ　　9.語学学校①　　10.語学学校②　　11.失敗と発見色々　　 12.手作り料理　　13.アルバイト　　14.交通事情①　　15.交通事情②

16.友達との過ごし方　17.ポルタポルテーゼ　18.友達同士のｲﾀﾘｱ語　19.ナヴォナ広場の夜ＢＧＭ付♪　20.電話とｲﾝﾀｰﾈｯﾄ　 21.日本が恋しくなったら

22.水道＆光熱事情　　23.ハロウィン　　24.クリスマス　　25.お正月　　26.警察事件　　27.働く子供たち　　28.イタリア男　29.留学を終えて・・・ＢＧＭ付♪

６．出会い（前半）

しょっぱなから、偶然なのか必然なのかと思える出会い。きっと、
滞在中も良い出会いがあるだろう、と予感させる幕開けとなりました。
（その予感は見事に、的中します！）

どんな風に私がローマの地で、知り合いを作っていったのかを紹介します。
気軽に話しかければ、イタリア人は人懐っこいのですぐ仲良くなれますよ！

　行きの飛行機にて、偶然の出会い

イタリア行き当日。
緊張の面持ちで機内に乗り込むと、私の隣にとてもキレイな女の子が座っていました。
彼女はジョアンと言って、イタリアの南に位置するマルタ島出身。日本に留学中で
今回はヴァカンスで、マルタ島の実家に帰るのこと。
仲良くなったきっかけは、私が着ていたＧジャンにつけていたピンバッチでした。

偶然か運命か分からないけど、ジョアンは『外国人留学生会館』に住んでいて、
そこは私の勤め先の最寄り駅から歩いて行ける所にありました。

ジョアンとは、イタリアで会うことはありませんでしたが、帰国後、何度も遊びました。
ものすごく頭が良く、慶応大学、その後は東京大学の大学院に通っていましたが、
気さくで、底抜けに明るくて、美人で、（『紳士服のコ○カ』のＣＭに出ていたの。）
一緒にいるととても楽しかったです。現在はマルタ島にいます。ステキな思い出ありがとう！

　ローマの空港にて、またも偶然の出会い

無事ローマに到着すると、今度は日本人の男の子に話しかけられました。
彼はサトウ君。お父さんが仕事でローマに滞在しているので、しばらく
居候するとのこと。空港までお父さんが迎えに来ているんだって。いいなぁ。

私はまだ誰も知り合いがいないから、お出迎えなんてない。空港に着いたら、
まずテレホンカードを買って、管理人に電話をするように言われていました。
緊張で顔がこわばっていたと思うけど、サトウ君が和ませてくれました。感謝！

しかも、聞いてみると彼は私の大学の４つ後輩だったのです！
サトウ君とは、その後もしばらくお互いの近況報告をしていました。
同じ大学卒というのが、私たちに親近感をもたらせたのでしょう。

　レストランで、店の人に話しかけよう

実は私、イタリアに来る前、イタリア料理屋の厨房で働いていました。
その時撮った写真を何枚か持参し、友達作りのきっかけにしていました。

レストランに一人で行く時は、混み合うピーク時間は避け、
ランチは遅め、ディナーは早めに済ませるようにしていました。
オーダーして一人、席で待つ私。大体、カメリエーラ（ウエイター）が、声をかけてきます。
その時に、写真を見せて「私ね、イタリア料理屋のコックなの。ほらね。」と言うと、
店中の店員に廻され、時にはシェフまでもが厨房から出てきて、挨拶してくれました。

さらに、私は出てきた料理を、必ず写真に撮ります。
これは何の為でもなく、ただ撮るのが好きだから、と言う理由なのですが。
その際、見ている店員が「君を撮ってあげるよ！」と言ってくれるので、
「あ？そう？それならさっき写真を見てくれた人たちも呼んでよ！」と、
店員も参加して、記念撮影するのです。

こうなると、日本人の私は、見た目だけでも目立つので、彼らの記憶にインプット！
あとは、後日その店の前を通り過ぎたときに「チャオ～！」と元気良く挨拶すれば、
すっかりお友達、という訳です。
「レストランに一人で行くのは恐縮・・・」と言う気持ちも分かりますが、
一人だからこそ、店員が相手してくれる、と言う良い点もあるんですよ！

　世界中各国の、観光客に話しかけてみよう

憧れのローマに滞在している、それだけで気持ちは満足ですが、やはり
話し相手がいないと、人はだんだんと退屈になります。そこで、私は観光地を
ぶらつき、一人で観光している人に声をかけるようにしていました。

ある日の出会いを紹介しましょう。
朝、散歩中、トレヴィの泉でタイ人の女性、パックと知り合いました。
「写真を撮って！」と言われたのをきっかけに、仲良くなったのです。
パックは、仕事でイタリアに来ていて、昨日で仕事は終わり。
今日は一日自由なので買い物をし、明日タイに帰るということでした。

私達は、夜待ち合わせをして夕食を一緒にしました。
ラザニア・サラダ・ピザを食べながら、お話しました。

（会話は英語・・・どうにかなった、私のジェスチャー付き英会話。）

パックは宝石の仕事をしていて、その仕事で時々、ローマに来るそう。
お家の写真を見せてもらったら、ものすご～い豪邸でビックリ！
タイ＝「首長族の村」（見ていない方はコチラ）というイメージが強い
私は、パックのような人もいるんだなぁ～と、感心させられたのでした。

パックは洋服屋さんでも棚買いをしていました。『ベネトン』では、
同じポロシャツの色違いを何着も購入。持参のスーツケースに
収まりきらず、別途、ダンボールに詰めて郵送したようです。
仕事でイタリアに来る人も大勢いるんですね。格好良いなぁ～！

旅行者とは友達になりやすいし、その後も「写真を送るね！」なんて言って
ペンフレンドになることはできますが、残念なことに、私を置いてそれぞれの国に
帰ってしまうのです。せっかく仲良くなっても、最後に別れを告げて帰る家路は、
寂しかったなぁ～。それでもめげずに色々な人と知り合ったので、この気持ち、
何度味わったかわかりません。思えば、現地に住んでいる友人が出来るまでの
辛抱でした。友達が増えてからは、旅行者に声をかける事がなくなりました。

　アパートの近所の店で知り合いを作る

朝はアパートの隣のパン屋で、パンを買っていました。
ローマで有名なのは、『ロゼッタ』という名前の亀の甲羅の形のパン。
２個で８００リラ（４０円）くらいです。安い・・・。ハムやチーズを挟んで朝食にしたり、
散歩に持って出掛けて公園や広場で昼食にしていました。近所のお店の人と仲良く
なることは大切です。顔が知れるようになると、おまけをしてくれたりするし。

アパート前のバールは、朝から夜中までやっているので、私に取っては抑えておきたい
店でした。何かあった時に味方になってくれると思い、愛想良く振舞っていました。

（この辺りから、私が『世渡り上手』と言う事がばれてしまうかな？）

　お店で店員に近くのおいしいレストランを聞こう

洋服屋さんや、小物の店でも、お店の人と話すチャンスです。
洋服屋は、「どっちが似合うと思いますか～？」と聞けば、店員さんが会話を
進めてくれるでしょう。そして、どうひいきめに見ても、バリバリの日本人体系の私には、
かなり無理と思われるような、斬新なデザインの服も、
「これ、いいわね。とても似合うわよ！ベッラ！ベッラ！」と勧めてきます。

ある日、靴屋さんでブーツの試着をしました。
イタリア人のほそ～い足用に作られているので、私のぶっとい足は無理そうでしたが、
店員さんが無理やりファスナーをしめて、「いいじゃない？！」と言って来ました。
私は足の血管が止まるのではないか、と思いつつ「これは無理。」と断りました。
イタリア店員さんは褒め上手です。あなたも試着すれば、女優気分を味わえますよ（？）

またある日、ヴィットリオエマヌエーレ通り沿いの小物店で、
お店のおじさんシルビオと、近所の若者たちと仲良くなりました。
ちょうどお腹が空いていたので、
「この辺で食事したいんだけど、おいしいお店を知りませんか？」
と聞いてみたのです。
グルメなイタリア人は、自分の勤務先周辺のレストランについては、詳しいのです！
この時も、おじさんのお勧めの小さなトラットリアを紹介され、
「僕の名前を店員に言って、紹介されたと言いなさい。」と言われました。
その後、私はこの店の常連客となったのでした。

余談ですが、このトラットリアの壁に飾られていた掛け時計は、
私が滞在中、ずーっと止まったままでした。だから友達の間でこの店を、
こっそり『３時１０分前』（トレメーノディエチ）と呼んでいました。
ある日、ふざけて店員アントニオに言うと、「こらっ！」とほっぺたをつねられました。
そして、しばらくすると、時計が『３時１０分前』ではなくなりました・・・。
（チクタクチクタク・・・）