私が、我が家のように通っていた店を紹介します。
店の名前は『ルスティケッラ』。
きっかけは、ナヴォナ広場の近くの雑貨屋さんのご主人に、「この辺でおススメの店は?」と聞くと、
「この店でオレの名前を言って紹介されたと言いなさい。」
と言われたのでした。
そしてバカ正直に、それを実行したら、店の人に大歓迎されてすっかり気に入ってしまったのです。
(イタリアはけっこうコネ社会なので、こういったお店の紹介から、友人紹介、はたまた
仕事の紹介・・・と人から人へのつながりを感じる機会がとても多いんです。)
この店の特徴は、「壁の時計が壊れて止まっている」。
(失礼でスミマセン・・・(^_^;) )
いつ見ても『3時10分前』のままなので、私の友達の間では、この店の名前をこっそり
『tre meno dieci(トレメーノディエチ=3時10分前)』と呼んでいました。
(ある時、これを従業員のステファノに言ったら、頬っぺたをつねられました・・・)
この店のもう一つの特徴は、「テレビでサッカーの試合が始まると、従業員の動きが止まる」。
客席から見える、ピザの釜の前に立ったコックさんも、口をポカンとテレビに見入っています。
メニューを決めて、カメリエーラ(ウェイターのこと)が来るのを待っていても来ないので、
自分で厨房まで頼みに行ったことが何回もありました。
(マジかよぉ・・・って感じでしょ。)
そんなですが、家族で経営しているこの小さなトラットリアが大好きでした。
この店は何を頼んでも美味しくて、中でも私はフンギポルチーニのリングイーネの大ファンでした。
それと、この店に限らず、多くのトラットリアでは、客席のテーブルクロスがわら半紙なんです。
これ、けっこう当たり前。お客さんが帰ったら、食器と共にわら半紙を新品に取り替えます。
店にとっても便利だし、お客さんにとっても落書きしたり、話している時に大事なことをメモして
切り取ったりすることもできるんですよ。
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